カーナビって目的地を設定して、案内を開始すると「実際の交通規制に従って走行してください」みたいな文言を言いますよね。これ、重要な意味があるって知ってました?今日は、カーナビに騙されて捕まった男の話から紐解いていきましょう。白バイ警官の兄ちゃんが、ぐうの音も出ない正論で教えてくれる雑学です。
一方通行の逆走で違反切符を切られた話
ある日、河川敷付近のちょっとややこしい勾配のある道を通った時のことです。道が三又に分岐している道での出来事。そこには一方通行の標識が立っていたのですが、微妙な位置に標識が立っており、どの道が一通なのかいまいちピンときませんでした。急いでいたこともあり、とりあえずカーナビが案内をしてくれていたので、それに従っていれば大丈夫だろうと、真ん中の道を走りました。すると、後ろから待ち構えていた白バイが猛スピードで駆け寄ってきて、捕まっちゃいました。白バイ警官さん曰く、
「ここ、一方通行なんだよね~。まあ分かりにくいのは確かなんだけど、よく見て運転すれば明らかにこの通りが一通って分かるでしょ?」
・・・うぅん、確かに停められてから改めて冷静に見ると明らかに逆走しちまっている・・・でも、カーナビもこの道通れって言うから、安心しちゃったんだ・・・。
少しゴネかけました
わかりにくい標識に、待ち伏せている白バイ、更には間違って違反しちゃう道を案内するカーナビ・・・
もう周りには敵しかいません。いや、自分が悪いんだけども。そんな気がしました。なので、ちょっとふにゃふにゃしながらこう言いました。
「いやね、カーナビをね、設定してたんですけどね、その案内に従っただけなんすよ・・・ほんと、標識が分かりにくいのも相まって、いいのかなって、思うじゃないっすか・・・」
ゴネてますね。ちょっと罪を被せる相手がいないからって機械のせいにしちゃいました。白バイ警官さんすみませんでした。みっともないです。ですが、ここからです。私はこの後、白バイ警官のぐうの音も出ない正論に論破されます。
実際の交通規制に従え
少しゴネた後の私に白バイ警官はこう言いました。
「ナビを設定する時、殆どのカーナビが『実際の交通規制に従って走行してください。』って言うでしょ?」
―はい、その通りですね。逆に言わないやつとか見たこと無いかも。
「何であんなこと毎回言うか、知ってる?」
―いや、知らない。というか考えたことないや。キメ台詞じゃないの?
「・・・アレ、『私が万が一間違った案内をしたとても、あなたは”実際の交通規制に従って”走行してね。』って意味だからね。」
な、なんやて~~~!!?あの文言、タダの決まり文句じゃないんですって。
メーカーの保身の為の柔らかい責任表現
カーナビが間違った道を案内することは多々あることです。カーナビが古かったり、地図情報が更新されていなかったりすると勿論カーナビは最新の道路事情を知らない訳ですから、登録されていない道を通ればナビ上では道なき道を進んでしまうし、カーナビの知っている道でも、最近一方通行に変わったとか、通行止めになったとか、規制まで最新の状態で網羅されているとは限らないのです。
つまり、違反になってしまう方向に誤って案内してしまうことだって十分にあり得るのです。だからと言って、カーナビメーカーはそんな責任を全て取ることは出来ません。メーカーの保身と言うと聞こえ悪いですが、要するにメーカーとしての自己防衛です。彼らのカーナビもこう言いたいのです。
「私たちは道案内の補助をするだけであって、最終的な安全運転と法令順守は運転手のあんたに任せるよ。運転に関しては自己責任で頼むよ。」
要するに
「運転は自己責任でお願いします。誤情報による事故や過失があっても、私は一切の責任を負いません。」
もっと角が立たないように、柔らかく、シンプルにすると、
「実際の交通規制に従って走行してください。」
・・・私が案内する情報に従うのではなく、”実際の交通規制”に従うんだぞと。最終的にどこをどう運転するかはお前次第だからな、ということです。
まとめ
「実際の交通規制に従って走行してください」この文言はある種の利用規約のようなものだと白バイ警官氏は言っていました。さり気なくて、全く気にならない言い回しをしていますが、その実、運転に関しては全て運転手責任であることを、この一言でハッキリと明示しているとのことです。
なので、時には古いカーナビに惑わされることもあるかもしれませんが、そんな時も、皆さんは「実際の交通規制に従って」運転してくださいね。