実は私、一度転職経験がありまして、営業から内勤に移っています。社内環境が良くなかったこともありますが、何より営業が無理だったからです。
シンプルに、向いてませんでした。
今回はそんな営業職から逃亡した私が語る、営業に向いていない人の特徴一覧です。就活生や営業を目指す人の参考になれば。
目次
はじめに
はじめに断っておくと、一口に営業と言えども社風や業界によってどんな人達で構成されているかは異なります。バリバリの体育会系が集まっている営業部もあれば、オタク集団が集まっている営業部だってあるはずです。
だから、これから列挙する項目に当てはまったとしても、それらはあくまで「営業としてのあなたの弱点になり得る部分」です。
ちょっと位当てはまっても、項目によっては他のことでカバーすることが出来るので、一つでも当てはまったら即営業失格!という訳ではないので、あまり深く考えずに参考程度に知っておきましょう。
営業に向いていない人の特徴
コミュ障
当たり前ですね。社外の知らない人とコミュニケーションを取ることがメイン業務ですから、コミュ障・口下手には難しい仕事です。
とは言え、コミュ障ではないけど寡黙な人は営業にも多く存在するので、賑やかだったり、ワイワイとしたコミュニケーションがあまり好きではない、位なら皆さん普通に営業として勤め上げています。
リア充であること、ウェイウェイすることが重要なのではなく、最低限の社交性を持ち、上手く聞き出し、うまく喋り、うまく説き伏せることが重要です。コミュニケーション能力は必要不可欠ですが、別に底なしに明るい性格でなくても大丈夫。
嫌なことを後回しにしがち
私の最大の敗因です。
営業は自分で仕事を増やす必要があります。作業が忙しくて溢れそうでもそこに訪問アポを入れないといけません。
ただ、営業の場合、忙しいときにアポを入れるか入れないかはその人次第です。やろうと思えば、大変な時は一旦訪問せずに、社内業務に徹する日を作ることも出来るし、逆に自らに鞭を打って更に忙しくすることも出来ます。
貰い受けた仕事はキッチリやるものの、自発的には動けない傾向にある意識低い系の私は、これが出来ませんでした。
「今週忙しいから訪問は来週で」「アポ取る時間無いから明日やろ」…そういった“後回し”の積み重ねにより、細かな受注を取りこぼしてゆき、知らぬ間にノルマに追われる身となっていました。
失敗を引きずる
トラブルやクレームがつきものというのも営業職の特徴です。
引きずるタイプの人、一回のダメ出しで「自分はダメ人間だ…」位のレベルで落ち込む人、落ち込み続ける人にとっては苦難の道のりです。
信頼を失ったかも…嫌われたかも…デキない奴と思われてるかも…と考え続けてしまういわゆる「気にしい」タイプの人は悪くいけば自信をすっかり失ってしまうかもしれません。
一方、現状そのようなタイプの人でも、そのうちそんなこと慣れる・麻痺ることもあるので、場合によっては気にすることではないかもしれません。
数字に無頓着
数字の管理がガサツな人は自分を変えないと営業職として活動が難しいかもしれません。売上もノルマも、営業に付きまとうものは全ては数字です。
月の途中でどれだけ売上が上がっていて、あとどれだけ売上が必要なのか。手持ちの案件の受注予定金額はいくらで、いつ売上が立つのか。新しい提案をすることで、受注できる可能性のあるポテンシャルはいくらあるのか。それを回収するために、一日何件ペースで訪問をすればいいのか…等々
ノルマ達成の為に必要と思われる自分の仕事量も、数字をもとに判断することが多いです。もちろん。何も考えなくてもノルマ達成出来ちゃってる位優秀なら、数字なんて適当に考えていればいいのかもしれませんが、まぁ必ずそうもいきません。
普段数字に無頓着だとしても、せめて営業周りの数字の管理はしっかりする、という心構えが必要になるので、気に留めておいた方が良いでしょう。
気が利かない
気が利かないことは何の仕事にとってもマイナスですが、こと営業においては特に大幅減点要素です。
日本人は、特に慣れていない人に対しては直接的な物言いをあまりせず、「言外に語る」ことが非常に多いです。それを暗に察して、気の利いた提案やサービスが出来るか否かは営業の信頼度を大きく左右します。
「この人、1から10まで言わなくてもきちんと察してやってくれる!」と思われるか、「こいつ、本当に言ったことしかやってくれないな!」と思われるか。当然前者が優秀です。
忖度する、気を配る・1を聞いて10を知る…なんとも面倒なコミュニケーションですが、我が国の国民性なので、何ともし難いです。客と営業である以上、こちらが気を利かせるしか無いのです。苦手なら負けていくしか無いのが悲しいけれど現実である。
劣等感が強い
人と比べて、自分はなんて駄目なんだ、自分は無能だ、情けない…みたいなブルーな気分にすぐになってしまう人は営業をやめておいた方がいいかもしれません。
何故なら、営業こそ最も人と比べやすい職種だから。例えば10人いるチームで、自分の売上が毎度毎度ビリになっても自尊心を保てるか?堂々と振る舞えるか?想像してみるのもいいかもしれません。
集団の中で強い劣等感にかられる人は、周りが何とも思っていなくても勝手に萎縮していき、自分で自分の居場所が無いように思い込んでしまい、どんどん集団内での居心地を悪くしていってしまいます。
押しが弱い
何かモノやサービスを売る際、相手が現状困っていて、こちらの売る商品がそれをドンピシャで解決出来るものなら、概要を伝えただけで「買う買う!」となることもありますが、大概そうはなりません。
多くの提案は現状特別困っている訳ではないけど、あればきっと便利になる、という内容のものになります。
そうなると、人はあまり変化を好まないので、まずは断りから入るか、「機会があれば検討しておきます。」と言われるのがありがちなパターンです。
その相手の断り文句をどうねじ伏せて、購買まで持ち込むか。ここが営業の手腕によって大きく左右されます。断られてすぐに引き下がってしまう人と、「お客さんの言い分も分かるけど、こういう良いところもあるんですよ!」ともう1、2押し出来る人とでは、かなり結果が変わってきます。
こういったテクニックは意識することで後天的に習得する事が可能ですが、もともと押しの弱いタイプの人にとっては少し負荷のかかる苦行になります。
断れない
押しが弱いのも弱点ですが、押し”に”弱いのも営業として弱点になります。キッパリと断れない人のことです。セールスや店員に勧められるがまま、本当はそこまで欲しくないと思いつつも買い物をしたり、契約を結んだりしてしまうタイプの人にとって、営業は辛い経験になる可能性が高いです。
営業をする中で、図々しいお客さんから無理な注文をつけられることはしばしばあります。もっと値下げしろ、だとか、今日中にやってくれ、とか、もっとこうしろああしろ…と。
お客さんの要望を聞く立ち位置なので、当然と言えば当然なのですが、全て「お客様のため…」と思って聞き入れていると、やがて売上金額の割に過剰なサービスをすることを強いられますし、最悪の場合受注すればするほど実質赤字になる場合も業種業界によってはあり得ます。
そうならない為には、一定の線引きをして、「これ以上は追加料金を頂かないとお応え出来ません。」とキッパリ断ることが必要です。この手の交渉において大切なのは“ビビらずにキッパリ断れるか否か”です。
これが出来ないと、ズブズブと客の図々しい要求を受け入れてしまい、自分の作業量が増え、新規受注の為の訪問に時間が割けなくなり、自滅していくことになります。
まとめ
○個当てはまればあなたは営業職になるべきではない!といった類の診断ではないのでご注意を。
ほとんど当てはまったとしても、例えば類まれなるアグレッシブさや抜群のコミュニケーション能力があればカバー出来るかもしれないし、そもそも今苦手でも、営業職を続けていくうちに後天的に身につく能力や性格もあります。
また、営業も現場によって様々なので、今回挙げた話でも「うちの営業にはそんなこと関係ないよ!」という話はいくらでもあり得ると思います。
とりあえず、営業職は世の中にごまんといるので、別に営業は選ばれた人にしか出来ないような職種ではありません。むしろ誰でもなれます。
ただ、飛び込む前に自分の性格や能力と、営業という仕事の特性を見比べることで「こんなハズじゃなかった!!」というミスマッチは防げると思います。
一番駄目なのは新卒者の「営業が一番採用枠多いからとりあえず営業志望」ってやつ。適当に決めるにしてはクセ強めのお仕事です。やりたい仕事はきちんと考えましょう。