上沼恵美子擁護に学ぶ、炎上に加勢するのは少数という話【とろサーモン久保田炎上】




ネット上で散々話題に上がっていますが、M−1グランプリの後、とろサーモンの久保田さんが審査員の上沼恵美子さんをインスタライブ上で叩き散らして大炎上しました。

今回はそんなこと本当はどうでもよくて、急激に増えた上沼恵美子擁護の声を見て、やっぱ炎上に加勢してる人ってごく一部なんだなあと思った話です。

とろサーモン久保田の大炎上

炎上の発端、暴言

とろサーモン久保田
今回のとろサーモン久保田さんの炎上について、掻い摘んでご説明。

M−1グランプリで審査員として出演していた上沼恵美子さんの審査基準に対して、とろサーモンの久保田さんがインスタライブ上で暴言を吐いたのが事の発端です。このインスタライブ、今年のM−1グランプリの準決勝で漫才を披露したスーパーマラドーナの武智さんが配信していたものでした。

配信の中で久保田さんは「審査員の皆さん、もう自分の感情だけで審査するの、やめてください」「1点で人の一生変わるんで」「おまえだよ!右側のな!クソが!」とキレまくり、続いてスーパーマラドーナの武智さんも「右のオバハンには、みんなウンザリですよ」「嫌いです、とか言われたら更年期障害かって思いますよね」等と言いたい放題でした。酒の席からの配信で、酔いの勢いに任せて言っちゃった感じです。

動画はまたたく間に拡散され、一緒に悪口を言っていたスーパーマラドーナの武智共々、仲良く一緒に大炎上しました。翌日両者ともにツイッター上で謝罪したものの、時すでに遅し。動画は拡散され、炎上は今もなお止まりません。

上沼恵美子も炎上しがちだった

上沼恵美子
突然ライブで叩かれた上沼恵美子さんですが、上沼恵美子さんのM−1グランプリでの審査については、一般視聴者の間でも毎年よく話題になり、しばしば炎上していました。

直接ネタが嫌いと言ったり、年代が違うからネタの面白さが理解出来ない等といったコメントはリアルタイムでもツイッター上で炎上していました。

歯に衣着せず、わりと一般視聴者目線で手厳しいコメントも言うので、見ていて気分の良くない人も一定数いたようです。それは芸人達の間でも同様だったようで、今回とろサーモンの久保田さんが我慢できずにネット上でその不満を垂れ流してしまったという次第です。




急激に増えた上沼恵美子擁護の声

と、そんなことはどうでも良くて。

この件についてニュース記事やブログ、SNS等を観察していて面白いな〜と思ったのが、上沼恵美子擁護が多いこと。

いや、以前から上沼恵美子さんが審査コメントについて叩かれている中でも「私は好きだけどなぁ〜」と呟く程度の人はある程度いましたが、今回のとろサーモン久保田さんの炎上を期に、擁護が一気に増えました。

「上沼さんの正直な意見が見ていて気持ちいいです!」
「審査員やめないで!」
「上沼さんがいないとM−1の楽しみが一つ減る」
「上沼恵美子に審査員続けて欲しい」

こんなコメントがSNS上でよく見られるようになりました。ここまで暖かいコメントは久保田さんが炎上するまではあまり無かったかと。

炎上に参加してる人ってごく一部

炎上
ネット上の炎上について、加勢してる人は全人口のごく一部も一部、ミジンコみたいな勢力だと言われています。

ネット上で燃え上がっているとどうも全国民がバッシングしているように見えがちですが、実はそうではありません。今回の上沼恵美子さん擁護の流れを見ているとよく分かると思います。

漫才が終わって、コメントするたびに言葉尻を掴まれて炎上していた上沼恵美子さんですが、あの審査コメントの厳しさの中に愛を感じ、もしくは一般視聴者に近い感性に共感を覚えて好んでいた層も確実に存在したのです。

とろサーモン久保田叩きに皆が忙しくなり、その反動で擁護の声が上がりはじめたので、上沼恵美子さんが審査コメントで毎回炎上、なんてまるで無かったかのように上沼恵美子さんをバッシングする声が見えなくなりました。それどころか、今普通にネットを見ていると上沼恵美子さん好きな人の方が多いんじゃない?と思えるほどに、体感が変わりました。

ネットニュースでどう取り上げられるか、まとめブログにどう書かれるか次第で燃え盛ったり鎮火したり。上沼恵美子さんのM-1グランプリでの審査態度、毎回かなり炎上していて、皆から叩かれているように見えるけど、結局その程度の勢力からのバッシングに過ぎなかったということです。

要はどの勢力が目立つか

先述の通り、上沼恵美子さんの番組内でのコメントが今大会は炎上しなかった…訳ではないです。確実に叩いている人はいましたし、今も上沼恵美子擁護の流れに対して負けずに「それでまあのコメントは無いよな」と苦言を呈している人もやはりいます。

では何故、とろサーモン久保田さんの炎上に際して上沼恵美子さんアンチの数が激減したのか…という話ですが、実のところ、嫌っている人の人数はそんなに変化していないと思います。

ただ単に、目立たなくなっただけです。

とろサーモンの久保田さんに酷い事言われて擁護が多くなる中、パワーを割いて「それでも俺は上沼が大嫌いだ!」と言い続ける人がいないだけです。

逆に去年、上沼恵美子さんが審査時のコメントで炎上している最中も黙っているだけで擁護派はいたのだと思われます。わざわざパワーを割いていじめられっ子を救済しないだけです。

要はどちらが目立つか、というだけで。実際に嫌っている人と好んでいる人の数が半々でも皆が叩いていて、ニュースメディアが「上沼恵美子が炎上」と報じればその人は嫌われ者になり得るということです。




ネット民の手のひら返しではない

「お前ら散々上沼叩きしてきたくせに久保田が炎上した途端擁護とか手の平返しすぎwww」とか言う人がいますが、これは違いますよ。

ネットで目立つ世論が上沼恵美子擁護になっただけで、嫌いな人・好きな人の割合はさして変わっていないはずです。何故なら人は一度嫌いになった人をそう簡単に好きになれないから。

ネットを一つの人格のように捉えて、世論が変われば「お前らの意見が変わった」と考えるのは間違いで、実際にはネットは個の集合体です。

「ネット」という人格が手のひらを返したのではなく、目立つ勢力が擁護派になったと言うだけです。頭が悪いと見逃しがちなポイントですぞ。

まとめ

ネットの世論って全国民の総意のような気がしてしまいますが、案外そうでもありません。今回みたいにちょっとしたことで擁護の声を上げやすくなった途端、勢力がコロッと入れ替わる程度の規模感でしか動いていない話だったりします。

更にいうと、ヤフーニュース・ラインニュース・ライブドアニュース等といったネットメディア、それからまとめブログ等で「○○が炎上!!」というタイトルをつけて、5件くらい批判しているコメントを引用すれば、別に炎上していなくても炎上しているように見せられますし、それがキッカケで本当に炎上しちゃう例もあります。

今回は特に、上沼恵美子さんのM-1グランプリでの審査について、(体感的に)ネットの世論がコロッと変わったように感じたので、記事にしてみました。

ネット上での世論・評判等は一つの話題でこれほどまでに揺れ動く不安定なものなので、ネット世論こそ正義!と思いがちな人はそのブレブレでチンケな判断基準を改めた方がいい、という余計な一言を添えて終わりにしたいと思います。